2015年02月19日

戦艦長門の応援歌をボーカロイドに歌わせてみた

去年、当ブログにおいて75年ぶりに長門應援歌成る!!ことに成功した件については、リンク先のブログ記事を参照してもらうことにして、今度はそのメロディにボーカロイドによる歌唱をつけてみるのに挑戦してみました。

事の始まりは、去年入手した「昭和12年度 軍艦長門写真帖」にこんなページがありまして〜
長門応援歌1.jpg
見ての通り、戦艦長門の乗組員が艦隊内で行われた短艇競技会の際に合唱した応援歌として、写真とともに歌詞が3番まで掲載されていたのです。 さらに1番の部分は、昭和14年の艦内新聞に書かれていた歌詞と全く同じで、推測するにどうも詞は昭和12年の時点で既に完成していて、後から本職(軍楽隊)の手によって正式に曲が加えられたらしいことまで判明しました。

この応援歌が何時頃成立したのかは不明ですが、とりあえず2つの資料を合わせれば昭和14年から歌われていたバージョンとして復刻出来るのではないかと、今回MIDIファイルに手を加えてフルバージョンとしてボーカロイドに歌わせてみたのがこちら。
軍艦長門 応援歌 
作詞:不詳
作曲:第一艦隊軍楽隊
注意:原版の譜面は歌唱旋律とソロトランペットのみ、ドラムやバス等は私の手による付け加え-(アレンジ)です。

軍艦の応援歌は、艦隊内で頻繁に行われていた各種競技会で自艦の選手を応援するため、それぞれの艦で独自に作られ歌われていたことが判明しており、年代によって複数の応援歌が存在する艦もあったようです。 ただ、これらの応援歌も艦歌と同じく完全に内輪向けの曲ということで、まともな譜面どころか口伝で歌詞すら残っていない曲が大半で、そのほとんどが終戦とともに歴史の闇へと消えていきました。
ちなみに私が調べたところ、他には霧島や愛宕の応援歌を確認しているのですが、残念ながら手元の資料には歌詞しか残っておらず、曲として再現するのは不可能だったりします。

今回復刻した長門応援歌は、偶然とはいえ詞と曲が揃った特に幸運なケースといえるでしょう。 
願わくば艦これブームが引き金となり、こういった埋もれている曲の数々が発掘され、再び陽の目を見る事が叶いますように……
posted by acj@管理人 at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2015年01月26日

工作艦「明石」進水式歌

戦前海軍の工作技術の粋を集めたといっても過言ではない、工作艦「明石」が竣工〜進水した際に演奏された進水式の歌を、現代の音声合成技術を使って再現してみました。

工作艦明石の進水式は昭和13年6月29日に佐世保で執り行われたのですが、式典では柿本人麻呂の「ほのぼのと明石の浦の朝霧に島がくれ行く船をしぞ思ふ」という古歌に曲をつけて、進水式の歌として演奏(合唱?)されたそうです。 進水式歌はその場限りの演奏だったのか、その後レコードなどに録音されたという話もなく、おそらく戦後一度も再演奏されることなく歴史の闇に埋もれていたのでしょう。
今回、混声四部合唱で歌われたという原曲をボーカロイドで復刻するにあたり、当時発行された進水式記念の絵葉書や、「建艦秘話」(庭田尚三・述 船舶技術協会,1965) に残された譜面を手掛かりとしてデータ化しました。 なお、原曲は合唱の他に伴奏のパート譜などがあったのか一切不明なため、ドラムやバスは私の手による付け加えです。


譜面には速度記号でアンダンテ=歩くような速さ〜とあるので、アレンジとしてはもう少しゆったりした感じにした方が良かったのかもしれないですね。
posted by acj@管理人 at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2015年01月22日

伊勢・榛名の艦歌をボカロで復刻する

去年、たまたま入手した記念写真帖の歌詞カードから戦艦伊勢と、ネット上で紹介されていた戦艦榛名の艦歌をSMFでアレンジしてみたのですが、今年になってからボーカロイドを購入したのをきっかけに、今までやりたくても出来なかった歌詞の再現にも挑戦してみました。

使用したソフトと音源はこちら〜
去年12月に発売されたばかりのボーカロイドの最新版とYAMAHAの音声データ(VY1V4)ですね。 今まで電子音声というのがどうも気になって敬遠していたボカロでしたが、最新版のサンプル音声や投稿されたデータを聴くと、かなりソレっぽい歌声を出すことも可能というのを知り、思い切って買ってしまいました。 
ちなみにCubaseがセットになっているのをボカキューというのですか、普段音楽データはMML形式の打ち込みで作っているから、エディターだけではミキシング等の調整が出来ないと思いボカキューを選択。早速作り溜めてた既存のSMFデータを変換がてら歌わせてみました。

とりあえずSMFでトランペットに割り振っていたトラックを、そのまんまボカロに変換して発声やニュアンスを微調整… じゃなくて調教というのか。 とにかく、初めてボカロってみたのがこちら〜

戦艦榛名 艦歌
ただ聴くならCubase上でオーディオミックスダウンさせたWAVファイルだけで十分ですが、せっかくニコ動やYoutubeにアップするのなら、歌詞をつけようと思い字幕付き動画ファイルにしてみました。 それにしても、まさか今になって以前BDドライブを買った時にバンドルされていたものの、使い道なく放置されていたPowerDirectorをインストールすることになるとは思いもよりませんでした。
なお榛名艦歌については、戦艦榛名 艦歌復元プロジェクト! に、アレンジ元となる譜面や資料が掲載されているので、興味のある方はそちらをご覧になってみてください。

続いて投稿2作目
軍艦伊勢歌 - 鳥取春陽 作
こちらは戦前に発行された「軍艦伊勢記念写真帖」に掲載されていた、歌詞カードの旋律譜を元にして、私の-想像で行進曲風にアレンジ&ボカロの歌声を付けました。 この艦歌自体、おそらく戦後にな-ってからは一度も音源化されていない未発表曲で、金剛艦歌のようにレコードなどで当時-の音盤が残っているのかも不明です。

榛名艦歌に続く2作目ということでボカロの調教が少しは進歩したかな? こちらの歌声はVOCALOID4から実装された2つの歌声ライブラリを合成する「クロスシンセシス」を使い発声の強弱を使い分けた…つもりなのですが、あまり違いがわかりませんね。


というわけで、今年から始めたボカロを使った艦歌や軍歌の再現プロジェクト。 今後も細々と続けて行きたいと思います。

posted by acj@管理人 at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2014年12月04日

再利用された旧軍施設(2)

C87の新刊に掲載したネタから…

ゲート0.jpg
米海軍横須賀基地の三笠(ウォンブル)ゲートを入ったすぐ右手に、旧海軍の工機学校正門が今も残っています。
この先にある神奈川歯科大学のキャンパスは、戦後の早い段階で学校用地として返還され、正門を清泉女学院(1962年に移転)の校門としていた時期があったため、接収後取り壊す機会を失ったまま現在まで残ったのでしょう。
さらに元々は間に2本の門柱があったのですが、これらは戦後撤去されてしまったようです。 手元の資料では1951年頃までは残っていたようですが、撤去され今の状態になったのは正確に何年頃なのかはわかりませんでした。

ただ…

この失われた2本の門柱は、今も市内でお寺の門柱として再利用されているらしいという情報が、新刊の資料集めをしてる際に目に留まりまして〜
早速確かめるため現地へ確認に行ってきました。

場所は横須賀市公郷町の曹源寺、門柱は寺の境内に現存しているそうです。

ゲート1.jpg
…というわけで現地に到着、確かにそれらしき門柱が2本!ありました。
参照した資料によると、戦後打ち捨てられ荒廃していた門柱を、寺が引き取ってここに置いたとか… 詳しい来歴はわからないのですが、確かに門柱上部のVのレリーフや煉瓦の模様など、工機学校に残る門柱とデザインがよく似ていますね。
ゲート2.jpg
下の昭和10年前後の門柱と比べると若干デザインが異なっていますし、上部のデザインも違っているのがわかります。ということは上と下では別の門柱なのか? この門柱が昭和10年〜終戦までに交換されていたのかは、残念ながら現時点ではわかりませんでした。
ゲート3.jpg
ただし、明かりを引っ掛けた金具や門扉を取付けたフックの位置は一致しそうなので、戦後ここに移設してから劣化した上部を取り替えたり、門自体を上塗りして補強した可能性もあります。 あるいはそもそも工機学校でなく全く別の場所から持ってきた門なのか…

とりあえず、今回の新刊では資料の通り工機学校の門としましたが、どこの門柱にせよそのデザインや状態から戦前に作られたものであることは間違いなさそうです。
posted by acj@管理人 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2014年09月04日

軍艦伊勢歌

昭和初期に発行された戦艦伊勢の記念アルバムの1ページに、こんな写真が掲載されているのを発見しました。

軍艦伊勢歌.jpg

この手のアルバムで、乗艦の艦歌が掲載されているのはたまに見るのですが、このアルバムには(背景扱いではありますが)完全な状態の旋律譜があるのが特に貴重でして〜。単音ながら譜面があるおかげで、歌詞だけでは決して伝わらなかった、実際の歌声を想像することが可能なのです。
というわけで、実際の写真はもう少し見づらかったのですが、画像加工して見易くした上で音符を1つずつ取り込んでみました。そうして出来たのが↓

画像を見れば分かりますが、譜面には演奏速度やニュアンスが一切書かれていないため、そのあたりは歌詞を口ずさんだり雰囲気を想像して、自分なりの解釈で仕上げるしかありません。
というわけで、画像から拾った基本の旋律が出来たところで、次は艦歌っぽく歌えるような形にならないか単音旋律に肉付け(アレンジ)を施してみました。


軍艦伊勢歌(鳥取春陽 作)
軍艦伊勢歌1.jpg

歌詞が5番まであるので、MIDIデータも5回繰り返すように調整。ただし、同じ曲のループでは単調過ぎて飽きてしまうから、2〜3番と4〜5番の繋ぎで間奏を挿入しています。 勿論これらは私が勝手にイメージして加えたもので、曲調は全体的にテンポよく軽快な感じにしています。

ちなみに、スローテンポで重めな感じにしたのも一応作ったのですが…
出来が気に入らなかったので没となりました。
まぁ…所詮は素人の物好きがノリだけで作ってるわけですから、本職の方が本気で作ればもっと素晴らしい曲を作り上げれると思いますが、私ではこのくらいが限界……

以前、長門應援歌の記事でも書きましたが、こういった戦後伝えられることなく埋もれていった軍歌...... 特に部隊や艦内といった内輪でしか歌わないような曲などは、口伝で譜面すら残されていないものもあり、それこそ膨大な数の楽曲が未だ発見されることなく歴史の闇に埋もれていると思われます。
当ブログでは、今後も旧軍の資料からこれら埋もれた楽曲を探し続けて行きたいと考えておりますが…。 とりあえず次に手を付けるのは、最近3番まで歌詞が発見された、長門應援歌の再投稿でしょうかねぇ?

----- 9/14追記(オマケの榛名艦歌)

休日の午後を利用して、伊勢艦歌のデータフォーマットそのままに、こちらも艦内新聞から最近発見されたという「戦艦榛名の艦歌」を作ってみました。私が作ったMIDI曲は、同じメロディーを単純に1回繰り返してるだけですが、原曲は4番まであるそうです。
アレンジ元となる譜面と歌詞は、こちらのサイト戦艦榛名 艦歌復元プロジェクト!の掲載画像を使わせて頂きました。
榛名艦歌は、すでに有志の方達によってピアノ曲や歌詞付きなど様々なデータが制作されてるので、上記のサイトからリンク先を参照してみてください。 リンク先から金剛や大和の艦歌も聴くことが出来ます。
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posted by acj@管理人 at 20:40| Comment(3) | TrackBack(0) | 軍事・歴史