2017年02月12日

巡音ルカV4X導入と新たな榛名艦歌

だいぶ遅い今年1番目のブログ記事ですが、コミケほぼ完売のご褒美として先月ついに新しいボーカロイドを我が家に迎えてしまいました。
巡音ルカ V4X

実は巡音ルカか初音ミクか、どちらを迎えようか店頭で見比べる段階まで悩んでいたのですが、最終的にVY1V4とより声質が異なるルカの方を選びました。それで早速、まずはVY1V4で歌わせていた既存曲をルカV4Xにチェンジしてみました。



巡音ルカV4XがVY1V4と大きく違う特徴として、1つのボーカルの中で異なる歌唱スタイルを選べるE.V.E.C.(Enhanced Voice Expression Control)がありますが、これが非常に効果的で、1音符ごとに細かく表情をつけたり息継ぎを入れてみたりと、手軽に表現の幅が広げることが出来ます。ただし、VY1V4で打ち込んでいたボーカロイドエディタでなく専用のエディタで打ち込まないと100%使い切ることが出来ませんが……
あと、新たなボカロを購入したのと合わせて、ボカキューに同梱されていたCubase AI7を今回思い切ってElements 9にアップグレードしました。これにより、使える音色やフィルターの幅が広がり、バックの演奏も少しゴージャスになった、かなぁ?

というわけで、いくつか既存曲をいじってルカV4Xに慣れたところで、最初からルカ専用として作った第1曲目がこちら〜


昭和8年度 軍艦榛名記念写真帖に掲載された「軍艦榛名の歌」を、いつものようにSMFで]演奏を作り、巡音ルカV4Xに歌わせてみました。 参考とした写真帖には歌詞と旋律の楽譜のみが記載、その他の楽器パートは私の手による付け加え(アレンジ)となります。
作歌の下村副長とは、おそらく昭和7年11月25日より1年間、榛名副長を務めた下村勝美 海軍中佐。作曲は岩田 軍楽兵曹長となっていますが詳細は不明 。 ちなみに写真帖発行の約2年後、この歌詞をほぼ流用した形で綿引 軍楽兵曹長が新たな曲を加えた榛名艦歌(昭和10年版)が、昭和10年12月6日の榛名 艦内新聞内にて完成告知されていますが、それが私がボカロ(VY1V4)を買って初めて作った曲になるんですよね。


昭和8年版と10年版の両方とも、私の主観がかなり入ったアレンジになるので、そうだと決めつけるのは危険ですが、おそらく普段乗組員達が歌うには少々難しい昭和8年版をより歌いやすくするため、新たに昭和10年版が作られたのではないかと推測するのですがどうでしょう?

そんなわけで今年初のブログ記事はこのへんで。 次の記事はもう少し早く更新したいと思います。
posted by acj@管理人 at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2016年12月10日

軍艦愛宕の歌

Twitterに投稿しようと思いましたが、短文で書ききれないし分割投稿するとまとめてログを探しにくくなりそうなので、当ブログでまとめておきます。

一部熱狂的ファン待望の巡洋艦「愛宕」の艦歌ですが、レコードや絵葉書で残るような公式な歌ではなく、艦内新聞の編集員が替え歌として歌詞を投稿した艦歌ならあったりしました。 このような替え歌や歌詞のみの掲載は他の軍艦でも艦内新聞にちょくちょく出てくるようで、もしその軍艦に公式な艦歌が残っていなければ、それを艦歌として残すのもありだと個人的には思っています。
というわけで、原版となる愛宕新聞の艦歌部分はこちら〜

atago_no_uta.jpg

「昭和9年度第2艦隊 4月25日 No.54」より抜粋
見ればわかりますが、古いガリ版刷りのため印刷がかすれて一部歌詞が判読できなくなっています。 画像処理をかけても文字の痕跡を識別するのが困難なため、完全な歌詞が作れず長らくお蔵入りしていたのですが、今回誰かが補完してくれるのを期待して不完全なまま公開することにしました。

軍艦愛宕の歌

詞:海軍一等兵曹 阿部金三郎(昭和9年)
曲:橘中佐(上)の歌詞調

1:
帝都***横須賀の
**鍛へし武人(モノノフ)が
精鋭すぐる七百余
乗こむ愛宕は日の本の
生命(イノチ)とたのむ巡洋艦
これぞ我等の城なるぞ

2:
太平洋に低気圧
************覚悟して
磨く伎𠈓(ギリョウ)は国の為
成る時あらば眞先に
敵を破らん愛宕魂
これぞ我等の意気なるぞ

3:
愛宕第一モットーに
協力一致至誠もて
元気に愉快に励みなば
腕に愛宕の神宿り
我に敵するものあらじ
これぞ無言の威圧なり

4:
国難国歩(コクホ)前に見て
擔(ニナ)ふ使命は軽るからじ
されど事あるその時は
愛宕の甲板(デッキ)の花と散る
覚悟で進まん諸共に
これぞ我等の信念ぞ

注:****の箇所は判読困難なためカットしています。

なお現時点で内容未確認ですが、今月発刊の艦内新聞集成第9巻に昭和9年の愛宕新聞が載るそうで。 もしここに同じNo.54があれば、印刷の状態が良くて読めるかもしれませんが、果たして……


2017.3.1 追記
上記歌詞を使い、ボーカロイド巡音ルカV4Xの歌唱とSMFの演奏で再現してみました。 一部解読困難な箇所は「ラララ〜」に置き換え、もしくは前後の文章から推測して補完しました。


posted by acj@管理人 at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2016年12月05日

ボカロ艦歌3曲をUPしました

冬コミケ原稿を始める前、10月にボカロ艦歌をいくつか作ってました。
事の始めは夏のコミケで頂いたコピ本の中に艦歌のコーナーがありまして、そこに掲載されていた「軍艦河内の歌」と「伊勢応援歌」に旋律譜と歌詞が載っていたため、これなら曲として再現可能ということでアレンジしてみたわけです。

いつものように歌唱はVY1V4。初音ミクさんもV4が出たことですし、そろそろ新しいボーカルを雇い(買い)たいところですね。冬コミケ後に考えてみよう……旧バージョンは削除しました

*原版となる旋律譜と歌詞は「 UPFG艦艇史料研究会 会報Vol.4 」に掲載された絵葉書を別途参照しました。


おまけ
ニコ動の「 復員船時代の「雪風」搭乗員にお話を聞いてきた 」で、元搭乗員の方がアカペラで歌っている復員者歓迎の歌を、独自に採譜して伴奏を加えたボーカロイド曲にしてみました。
聴いてわかるようにモーツァルト最晩年のKv.618と622をベース(間奏は丸々引用)とした、弦4パートのみの伴奏でアレンジしています。ただ、流石に7番まで延々同じ旋律と伴奏の繰り返しだと間が持たないため、3番ごとに間奏を入れ歌唱を4パート作って徐々に重ねていくようにしました。
歌唱はVY1V4のSoft。かなり試行錯誤して調教をしたのに加えて4パートもあるので、単純な繰り返しの割には3曲の中で制作に一番時間が掛かってます。
posted by acj@管理人 at 06:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2016年07月05日

錦旗奉じて比叡をうたう

ニコ動への投稿は1年半振りになるでしょうか。C90原稿作業に入る前の6月、唐突に2曲の艦歌を作って投稿してみました。



まず最初に、この曲は日本海軍の軍歌(艦歌)ではありません。と、一応お断りを入れておきます。
事の始まりは、ネットで1936年度発行の軍艦比叡写真帖に歌詞のみが掲載された軍艦比叡の歌を見つけたのがきっかけで、これをどうにか歌えるようにしてみようと考えたのが今年に入ってから…… そして歌詞を見ると、なぜか有名な「海ゆかば」の詞が丸ごと入っているため、それなら「海ゆかば(信時潔:作曲)」の旋律を流用してみようと思いついたのが5月に入ったあたりだったか。最終的に「海ゆかば」の前半旋律を借用して、それに合わせる形で繋ぎのメロディを作り、ボーカロイドで歌える形に整えたらこうなったわけですね。
ただ、ご存知のように「海ゆかば」の曲が発表されたのは1937年。歌詞の方が1年ほど早く発表されたことになるので、未発見の原曲は全く別の旋律で歌われていたと思われます。なのでこれはあくまでも独自解釈のアレンジ曲ということでご了承ください。

最後に、吉田俊雄海軍中尉が作詞した歌詞の出典元は「帝国海軍調べ隊!戦艦比叡の艦歌っぽいのを見つけた」にて公開されています。

追記(2017/12/20):動画を「VY1V4」から「巡音ルカ」バージョンに更新しました。

そして、次は本物の艦歌です。


練習艦隊時代(昭和10年代)の写真帖に掲載された「練習艦隊軍艦八雲の歌」の歌詞と楽譜を元に、ボーカロイド歌唱の復刻演奏にチャレンジしてみました。こちらは幸いにも歌詞の他に旋律譜があったので、それを忠実に再現しつつ当方のアレンジでブラスセクションの肉付けを施しました。曲全体の構成や最後のトランペット(ラッパ)等は私のアレンジ&付け加えですが、こちらは比叡の歌と違って元の旋律が判明してるので、そう外れたアレンジにはなっていないと思います。

なお、原型となる楽譜と歌詞は「比叡の歌」と同じサイトの「軍艦 浅間・八雲 艦歌復元プロジェクト!」で公開されています。
posted by acj@管理人 at 21:32| Comment(5) | TrackBack(0) | 軍事・歴史

2015年02月19日

戦艦長門の応援歌をボーカロイドに歌わせてみた

去年、当ブログにおいて75年ぶりに長門應援歌成る!!ことに成功した件については、リンク先のブログ記事を参照してもらうことにして、今度はそのメロディにボーカロイドによる歌唱をつけてみるのに挑戦してみました。

事の始まりは、去年入手した「昭和12年度 軍艦長門写真帖」にこんなページがありまして〜
長門応援歌1.jpg
見ての通り、戦艦長門の乗組員が艦隊内で行われた短艇競技会の際に合唱した応援歌として、写真とともに歌詞が3番まで掲載されていたのです。 さらに1番の部分は、昭和14年の艦内新聞に書かれていた歌詞と全く同じで、推測するにどうも詞は昭和12年の時点で既に完成していて、後から本職(軍楽隊)の手によって正式に曲が加えられたらしいことまで判明しました。

この応援歌が何時頃成立したのかは不明ですが、とりあえず2つの資料を合わせれば昭和14年から歌われていたバージョンとして復刻出来るのではないかと、今回MIDIファイルに手を加えてフルバージョンとしてボーカロイドに歌わせてみたのがこちら。
軍艦長門 応援歌 
作詞:不詳
作曲:第一艦隊軍楽隊
注意:原版の譜面は歌唱旋律とソロトランペットのみ、ドラムやバス等は私の手による付け加え-(アレンジ)です。

軍艦の応援歌は、艦隊内で頻繁に行われていた各種競技会で自艦の選手を応援するため、それぞれの艦で独自に作られ歌われていたことが判明しており、年代によって複数の応援歌が存在する艦もあったようです。 ただ、これらの応援歌も艦歌と同じく完全に内輪向けの曲ということで、まともな譜面どころか口伝で歌詞すら残っていない曲が大半で、そのほとんどが終戦とともに歴史の闇へと消えていきました。
ちなみに私が調べたところ、他には霧島や愛宕の応援歌を確認しているのですが、残念ながら手元の資料には歌詞しか残っておらず、曲として再現するのは不可能だったりします。

今回復刻した長門応援歌は、偶然とはいえ詞と曲が揃った特に幸運なケースといえるでしょう。 
願わくば艦これブームが引き金となり、こういった埋もれている曲の数々が発掘され、再び陽の目を見る事が叶いますように……
posted by acj@管理人 at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 軍事・歴史